剛実コラム

プラズマ切断について

プラズマ切断では、アーク放電による電気エネルギーを利用します。電気的にプラズマ化された気体を専用のノズルで絞り込み、摂氏2万~3万程のプラズマアークを作り出します。生成したプラズマアークは、溶断熱源として鋼材の切断に利用されます。

ノズルで絞り込まれたプラズマアークは高温度部分が細くなっており、高温の熱を狭い範囲に集中させることができます。そのため、目的に応じた切断材の溶融を容易に行うことができるのです。

プラズマ切断について ギャラリー

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【プラズマ切断のメリット】

数ある切断方法の中でもプラズマ切断は、軟鋼を切断する上では切断速度が最も速いため、大きな形を切断する際に利点があります。

一般的に、ステンレス鋼やアルミニウム合金の切断はガス切断では対応することができず、レーザー切断では25 mm程度の厚みが限界です。プラズマ切断の場合は、150mm程度の厚みのある鋼材の切断にも対応可能です。

また、切断操作が比較的簡単・安全なため、安定した切断性能を得ることができます。直線はもちろん、曲線での切断にも対応可能なので、ニーズに応じた加工が実現します。コスト面でのメリットもプラズマ切断の魅力の一つです。

消耗品が安く、メンテナンスにもそれほど手間がかからないため、ランニングコストが安く済む分、切断にかける費用も抑えやすいです。

 
【プラズマ切断の種類と特徴】

プラズマ切断は、利用される作動ガスの違いで数種類に分けられます。利用される作動ガスには、エア、酸素、窒素、アルゴン、水素混合ガスなどがあります。作動ガスにエアを利用したものはエアプラズマ、酸素を利用したものは酸素プラズマと呼ばれています。

▼ エアプラズマ
プラズマ切断の中でも、新しい切断方法です。使用するガスが安価なため、コストを抑えた切断が実現します。軟鋼を切断した際には、切断面が窒化します。

▼ 酸素プラズマ
エアや窒素を作動ガスとして利用した際に見られる切断面の窒化がなく、切断速度が速いのが特徴です。主に鋼の切断に利用されます。

▼ 窒素プラズマ
非鉄金属(ステンレス鋼・アルミニウム合金など)の高速切断に優れています。補助ガスとして、アルゴンや水素、炭酸ガスを利用することで、アルゴンプラズマ、水素プラズマによる切断で得られるような良質な仕上がり(綺麗な切断面)が実現します。

▼ アルゴン・水素プラズマ
非鉄金属に特化した切断方法です。非鉄金属の中でも、ステンレス鋼の切断には特に優れた性能を発揮します。スピーディーな切断には向きませんが、還元ガスとして知られる水素ガスを利用することで金属光沢のある美しい切断面が得られます。